喫茶ふるさと
“ふるさと”で出している海軍カレーは、茶褐色の濃厚なルーに特徴がある。
長時間煮込まれたことによりルーの中に野菜・ビーフエキスが溶け合い、上品な味を実現している。
これは昔懐かしいレトロな味というよりは... 現代風の普通に美味しく食べられるカレーですよ、コレは!
喫茶店のカレーと思うなかれ、いい味出しています。
注文してすぐ出てくるのも、マスターが変にウンチクを傾けないのも構えずに食べられて良いですねっ。
ライスは若干少なめでボリューム的にはちょうど良い感じ。
食後にオススメのブレンドコーヒーをいただいたが、酸味の少ない苦味のあるコーヒーによく合っていました。
カレーで一杯になったお腹の脂肪を食後のコーヒーが分解してくれているようだ。五臓六腑に染み渡る感じでしょうか。
さすが、喫茶店のマスターが厳選したカレーとコーヒーです。
ふるさとのマスター深川さんは昭和一ケタ生まれ世代。
戦後の日本を背負って立つ気概を持ち、ガムシャラに働いてきた人だ。
高校を出てから横浜市の交通局に勤務し、市営バスの運転手を指導する業務に長年従事してきた。
しかし食事の面では不摂生を重ねたこともあり50代の時に医者から糖尿病の宣告を受けてしまい、生活改善を決意した。
独学で東洋医学を学び日々の生活の中で実践を重ねるうち、いつしか糖尿病は完治。
体を治すのは自分であって、薬や治療などの対処療法では根本的な解決にはならない・・・ これが深川さんの信念だ。
「あんた、もしかして左ヒザを悪くしていないかな? 姿勢を見れば悪いところは大体わかるんだよ」マスターに言われてハッとした。
2日前に無理な走り込みを敢行して若干左足のふくらはぎの筋肉痛があったのだった。
恐るべきマスターだ、本人でも気づくか気づかないかのレベルでもハッキリと見てとるとは...
マスターは医者でないため、医療行為はできない。
しかし健康に関するアドバイスはいくらでも無料で行っている。
場所柄、よこすか芸術劇場で行われるコンサートや、催し物がある時はお客で賑わうが、通常はマスターの人柄に惚れて通う常連客が多い。
一推しメニューの「ピザトースト」をいただいていると、後ろから元気な声が聞こえた。
「マスターに言われた通りストレッチを始めたら腰の調子がよくなちゃって~」ふるさとでは今日も健康談義に花が咲いているようだ。