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レストラン Rico カウベル
市販のカレールーには辛さの強弱を5段階で示す「辛味順位表」が表示されている。
もし、カレーライスに"コク・うまみ”の順位表があったならば、衣笠商店街にあるRicoカウベルの海軍カレーの表示は5段階のメーターを振り切ってブッちぎりのトップランク になることは間違いない。
タマネギ・ニンジン・ローリエ・ニンニク、そして極上の牛スジ肉。
40号サイズの寸胴鍋で、煮込むことなんと1ヶ月!
出来上がった金茶褐色の液体がRicoカウベルのフォン・ド・ボーだ。スプーンで掬って口に含む。すべてが溶け合い融合した「ゆるし」の世界が体現されている。
オーナーの川上さんはこのフォン・ド・ボーを贅沢に使い、洋食屋さんならではのアプローチで新しい"海軍カレー”を生み出した。
クミン・ブラックペッパーの風味が特徴的な手作りカレー粉をフォン・ド・ボーで伸ばしていく。
ニンジン・ジャガイモのカットも一般的なカレー店の倍以上はあるだろう。
極めつけはカレーに合う牛のバラ肉だ。焼肉屋で言えば上のカルビ肉、その大きなカットを使っているのだ。
「洋食の基本は“テマ”と“ヒマ”、煮込んだ時間は裏切らない」川上さんの言葉が心に残った。
素敵すぎる!"洋食”と“煮込んだ”の部分だけをアレンジすれば、どんな世界にも通用する名言ではないでしょうか。
知ってしまった以上、この海軍カレーは食べすにはいられない。
カウベルは1980年代から衣笠商店街のちょうど中心部あたりの地下にあるお店だった。
階段を下りて店舗のドアには、鉄製の牛の首につけるベルがあしらわれていた。
「カロンコロン」と音が鳴り響く。テーブルにつくと、荘厳なステンドグラスにはキャンドルの火が…
幻想的な空間で食べるハンバーグステーキに心を奪われた。
世の中には素敵なものがたくさんある。
人生前向きに真面目に生きよう! そう信じさせてくれた一皿のハンバーグ。
個人的には、中学生のときにアルバイトを経験し、初めていただいたお給料で食事に行って食べたハンバーグだ。一生忘れることの出来ない味。
現在、カウベルはRicoカウベルとしてリニューアルし、衣笠十字路寄りに移転した。
味は当時のまま変わらず、食べるだけでその日1日は確実に“幸せな気分”になれる古き良き時代を伝える洋食屋さんだ。
看板メニューは霧島牛入り 特選ビーフハンバーグ
★カウベル伝説★
川上さんご夫妻が長く洋食屋さんを経営するあいだには色々なエピソードがあったが、
余命わずかとなった常連さん3人のエピソードが心に残っているそう。
「死ぬ前に一度食べたい」と動かない体に鞭打って自ら車を運転して来て食事された企業のオーナー
突然死する前日に「どうしても食べたくなった」とステーキを注文された女性
家族へ「みんなでカウベルのハンバーグを食べに行くように」という遺言を残したお寺の住職さん…
みんな、ありがとう!最後の食事に選んでいただいた事、忘れません。
彼らの思いにこたえるためにも、今日も川上さんはハンバーグを焼き続ける。
※私も将来・その時になったら、カウベルの味を思い出すかも。 川上さん、その時までお店をよろしくお願いします!